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読書感想文SP

58「源氏物語雲隠六帖【巣守】」

 

★超速あらすじ★
匂 宮「蜻蛉のおねえちゃん、ボク、子供の頃から大好きだったよ♡」
薫大将「匂宮が浮舟にしたのと同じコトを、蜻蛉姫にしてやる!」
蜻蛉姫「妊娠しました。宮中にあがり、帝(匂宮即位)にお仕えします」
 
因果応報思想は大事だけどwww
レイプマンじゃないんだから、これはダメだろwww
いや、まあ、同人誌だからいっかwww
 

 物事の 見捨て難きに 絆されて 

  我ぞ巣守に なりぬべきかな

 

光源氏(親父)に逝かれた冷泉院の世を儚む歌。

巣守は、巣に取り残された孵らぬ卵を己の境遇に照らして歎いたもの。

この場合の巣立ちは、霊的に空の上まで飛んでいってしまうコト。

親が薨れたからといって、いちびってないで、あと20余年は戦って欲しい。

天皇に次ぐ巨大権力の後ろ盾を失い、

身の破滅を身悶えるほうが現実的と思いたいが、禁句か。
   

場面は【夢浮橋】その後に移行するが、
まず【蜻蛉】帖にて置き去りになっていた蜻蛉姫を回収。
★超速あらすじ★にまとめたように、幼い頃から匂宮(今上帝)が慕っていた、
蜻蛉姫を薫が手篭めにして子供まで産ませてしまう。
「源氏物語」を永久に終わらせないなら、因果応報の連鎖は繋ぐべきだが、
これだとどうも、世界が滅びなかったから、また性欲に溺れようぜ、みたいな、
救いようのない世界が紡がれていくような気がしてならない。
世紀末末法思想だから、仏の教えを誰も信じなくなる、のでなくて、
新千年紀が始まれば、当面の憂慮なく退廃しようぜっぽい状況が思い浮かぶ。
妻帯してもしなくても、子供を設けるのがダメって話でもない。
ちょいと抹香臭い持論になるが、DNAを遺して創造物を更新していく力こそ、
人間の値打ちであり存在意義なんじゃないかと思ってる。
これは創造を後押しする資本主義が正しくあり、
創造を抑制する社会主義は異物とする考え方でもある。
まあ正しくは、国家が滅ぶ間際のスタートラインで経済思想統制から始まり、
ゆくゆくは資本主義に鞍替えするのが真っ当だと認識しています。
さておき、薫のレイプ請負倍返し(匂宮は浮舟を妊娠させてないので)は、
世紀末を乗り越えた「源氏物語」だからこそ、親和性ある筋書きではないか。
そんなふうに、【巣守】帖これはこれで納得したいと思います。
 
【巣守】帖には、もう1つ、議論される点があります。
源氏物語恒例、冒頭の冷泉院が詠んだ歌の他に、匂宮帝の女房の表記に、
巣守の中の君が存在がしており、どのキャラを当てるかで紛糾するためです。
主な候補は蜻蛉姫と宇治中君の二人で、通説による大勢どおり、
私も中君を指すと読み解いています。論拠は冒頭、冷泉院の境遇を考えたとき、
光源氏を失った院が悟りに至らぬ身のもどかしさを、巣守の卵に喩えたのと、
父八宮と総角姉を失った妹中君が、いまだ忘れられない胸中は酷似している。
 
 雲の上に 思ひのぼれる 住処にも 見し世の月の 影は忘れず
 
悼む気持ちに潰され、悟りに縋りたい冷泉院と、
忘れるなど出来ないものと受け入れた中君。
境遇は同じなれど、常に世俗にあり、生きようとする姿勢は、
冷泉院や浮舟とは真逆の、未来を託すに正しい人間像ではないかと思うのです。
  
  • 2020.09.01 Tuesday
  • 00:00

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