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読書感想文SP

57「源氏物語雲隠六帖【雲隠】」

 

★超速あらすじ★
紫上7回忌・・光源氏、剃髪出家。
明石上死去・・光源氏、鼻ほじ。
紫上13回忌・・光源氏63歳、逝く。
 
紫上 >>>越えられない壁>>> 明石上
 ※なお本作は紫式部とは関係ありません(たぶん)
 

 :紫式部作『源氏物語』54帖を補完したとされる、

  室町時代成立の同人編集版です。作者不詳。

 

こうゆうのが存在する自体、日本国が2000年の長きに渡り、

連綿と文化を積み上げてきた証左ではないかと思う今日この頃。

ダイジョウブ、現代でも根本的なところは変わってないから。

私自身、紫式部54帖で完作と考えているのですが、

同人版が出れば読むでしょう。共感するか否かは読んでからの話。

同人じゃないけど(笑)、「銀河鉄道999」の派生が、

「アンドロメダ終着駅」と「エターナル・ファンタジー」あるとして、

まったく世界観違うのに、どちらも正史続編なのは納得しております。

ついでに言うと、「エターナル・ファンタジー」も源氏物語同様、
未完のような終わりかたに駄作呼ばわりとか普通にあるのですが、
あれだって松本零士作品知ってたら、鉄郎が時間を戻して、
ヤマトが太陽の爆発を止めるって想像つくだろ。予定外かも知れないけど、
「エターナル」も「源氏」も、あれはあれでいいんだよ。

もひとつ、「きまぐれオレンジロード」の補完作としてOAVあったの観たけど、

春日恭介が下衆過ぎて、原作以外は認めないのもまた、読者の勝手次第です。

 

さておき、雲隠六帖が全54帖の補完6帖というのは、上に述べた通り。

但し、この読書感想文が宇治十帖から流れ込んだのに対し、

雲隠六帖は、【雲隠】帖+宇治十帖その後5帖から構成されているため、

【雲隠】とゆう異物を排除して、残り5帖を扱おうかと悩んだのですが、

それも変だよなーと思いなおし、全部順繰りに書いていこうと決めました。

【雲隠】帖とは、源氏本編でタイトルのみ、本文なし。とゆう前衛的なデザイン。

漫画コミックだと現在でこそ、めずらしくもない手法ですが、

かつて「聖闘士星矢」で必殺技がぶつかり合った表現として、

1ページまるごと白紙とかゆう処理して、落丁など反響続々あったらしいです。

私ら、星矢の後だから、それもアリとか思っちゃうのかなぁ。

表紙【雲隠】本文なし。編集煽り「光源氏、タヒんじゃった。てへぺろ」。

ともあれ、もし【雲隠】に本文あったら?の補完作が、今帖【雲隠】であります。

 
 夢の世と 思ひそむるや 紫の 根さえ枯野は 風もたまらず
 
惟秀&岡部の従者2人を連れて、隠遁先の西山にて朱雀院から賜った歌。
「源氏物語」最強ヒロイン、紫上を亡くし生ける屍となった光源氏を詠んだもの。
朱雀院は光源氏と腹違いの兄宮である。
紫ロスは前帖【御法】【幻】から引き継ぐものだが、さすがに長すぎて、
書いてる作者が物原(小説を破り捨てるの何てゆうか知らんが)した説も頷ける。
多くの愛読者が【雲隠】帖=本文なしと認識したうえで、
補作を愉しんでいるのだろうか。
第3部では、光源氏の子、薫(血は繋がっていない)と匂宮(母父)を中心として、
描かれていくのだが、夕霧大将や明石中宮といった一部を除いて、
以降、所在不明の登場人物も多数出てくるために空白を置いたとするほうが、
光源氏ロスといった感傷的な見方よりも妥当に思える。
 
 吹く風の 跡もたまらず 天つ空に しばしは雲の 佇まいして
 
光源氏、辞世の句。
己は何年間も紫ロスしていたくせに、いざ当事者となったら、
空に佇む雲になりたい。ふと生活に忙殺され、ふたたび見上げたとき、
跡形もなく消え去っている雲になりたい。
失った想いびとを世の摂理と吹っ切る様を、光源氏は悟りと表現する。
果たして、彼はそれを望んでいるのか、それとも恐れているのか量りかねる。
失くした者、旅立つ者、相反する思いが希釈される月日の長さが、
【幻】【雲隠】【匂宮】へと繋がる10余年なのかも知れない。
紫ロスを抱いて西山で隠棲する間も、朱雀院が、蛍兵部卿が、明石方が、
光源氏より先んじて世を去っていく。
そういった麻痺に似た感覚を味わいながら、辿り着く境地なのか。
 
源氏物語雲隠六帖【雲隠】では、
光源氏薨去(薨れたのか隠れたのか不明だが)は紫上十三回忌の年だと書かれる。
なので正史ではないが、62〜63歳で世を去ったと想像出来るだろう。
非難轟々あるかもだが、【雲隠】=本文なしについては女性作者目線で、
色事を拒否ってサポもしてくれない男性なんて、
夢も希望もない存在だったりするのでしょうかね。
こうゆう考えかたって、現代価値感で頭ごなしに否定して欲しくないな。
前回にも書きましたが、芥川龍之介「六宮の姫君」を読んだればこそ、
貧困女性が抱えるドライな視点もあると思うのです。
 
  • 2020.08.25 Tuesday
  • 00:00

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