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読書感想文SP

52「源氏物語宇治十帖【東屋】」

 

★超速あらすじ★
こいつらwww下衆の極み
 
左近少将「浮舟お嬢様お美しい!教養豊か!嫁にくれ!」
仲 人 役「浮舟お嬢様は連れ子なんですよ」
左近少将「あんな女、掃いて捨てるほどいるわ」
 
薫×浮舟の事後賢者タイム
「セフレならともかく、身分格差婚ってどうよ?」
   

 :メインターゲット浮舟。

  サザエさんの母親と伊佐坂先生の娘とのフュージョンではない。

  念のため。

 

浮舟母である中将君が中姫のいる二条ハーレムで共生させたところ、

匂宮(肉食系)に食べられそうになって、

「こんなところに娘を置いとけるかー!」と発狂するくだりは、

【夕顔】帖を思い出す。

中盤、ハーレム脱走した先の東屋で薫×浮舟が、いんぐりもんぐりするのは、

何となく【末摘花】の香りに酔う。

宇治十帖のうち六帖まできて、こうゆうノスタルジィに浸るものだと朧げに思う。
何故かって?もう書いちゃうけど、

源氏物語絵巻の根底に仏教観があるからですよ。

総括感想文にも載せた主題ど真ん中ストレートですが、

男キャラに「因果応報」。女キャラには「法華滅罪」っぽい何かが流れている。
だからこそ、瀬戸内寂聴が仏道に縋るのですよ。
なので何処か憶えのあるシーンが焼き直されるのは、輪廻思想に根差しています。
愚かしい男女は永劫繰り返し、同じ過ちを犯し続けるのですよ。
主演男優が光源氏から三たび変更されるのも、輪廻を浮き上がらせるためでしょう。
それを踏まえて、【浮舟】【蜻蛉】【手習】すっ飛ばし、
最終帖【夢浮橋】で、どう『源氏物語』が終わるのか確かめてください(おい)。
 
前回「宿木」帖で新キャラ紹介ふうに登場した浮舟さんですが、
冒頭から疵物よれよれ状態から始まります。
光源氏編だと精神的に強い女性それなりいたのに、どうしてこう、
薫編は弱ってる女性を追い込むようなシチュばかりなのだろうか。
性格不一致とか普通の破談ぢゃありません。中将君の再婚相手が常陸国守?で、
婿入りを目論んだ左近少将(浮舟の見合い相手)は浮舟が連れ子と知るや、
実娘で初潮もきてないロリと縁談結び直したとかゆう女性人権案件。
余韻に浸るものではないが、そんな醜聞を中将君が聞き耳立てているとも知らず、
二条院の女房たちが噂話するシーンは、恋愛どろどろ小説に不可欠な調味料。
もういっちょ、名場面ではないが食い入るように見ちゃう箇所がある。
二条院中君預かりとなった浮舟をハーレム主の匂宮がレイ〇゜未遂に及ぶ件。
実際に押し倒してる描写はないんだけど(笑)。
エロシーン挿入を強要される18禁コミックと違い、文学の香りが高級である。
「東屋」って、名場面未満の名場面が多い。未遂に終わらせた功労者は明石中宮。
中君輿入れでは嫌な役回りだったが、ストーリー的に借りを返した感じ。
また匂宮の名に恥じず、未遂に終わったあとの浮舟が、
自身から漂う移り香に戸惑う様子なども、別室実況中継と並んで文学だと思う。
相手次第で甘くも、ほろ苦くもなる表現だが、此処ではセカンドレイプ寄り。
パブリックな考察が入るのは未遂事件後、中君と浮舟が絵巻物を眺める場面だ。
挿絵の髪梳きから当時の風俗を注釈する文献が多いので、
それ、文学と関係ねーだろ(笑)とチャチャ入れたくもなるが、
中途セーブ地点としての意味合いが深いのは否めない。
まず浮舟が大君と似ていることの上書き。これは前帖「宿木」でもあったものの、
「東屋」における薫への受け流しとして、必要な段取りだと思う。
あと、この期に及んで匂宮×浮舟が未遂だったかアウトか議論してる外野衆(笑)。
まあ正史未遂で考察されるわけですが、中将君が激オコなるのと、
浮舟がハーレムに居づらくなるのは至極当然のなりゆき。
何より、中君の立場を思いやり、心を痛める心情描写がすべてではないか。
そうでもなきゃ、肉食獣共生とはいえ、食事&昼寝つきハーレム暮らしだもんね。
 
といったところで、後半のメインコンテンツ。三条の隠れ家に籠る浮舟の段。
まず気になるのは中将君が、かねてより用意していた侘び住いについて。
荒れた庭の草が見苦しいなどの描写があるので、建ち前新築ではなく、
中古買取(たぶん金銭やり取りじゃなくて、所有者との話し合い)だと思われる。
二条院とか三条院みたいに渡り廊下で連結された巨大コロニーじゃなくて、
生け垣などで仕切りされた一戸建てみたいな感覚。
未完成と書かれているのは、おそらく草むしりとか、襖戸の入れ替えとか。
総じて本文中にあるような酷い有様なわけでもないと思います。
殿上人や、それに仕える女官用人目線で見る庶民の暮らしぶりというか、
現代風で言えば、上級国民様が京都大学熊野寮をみる感覚に近いというか。
※他にいくらでも例えはあるけど、最近の差別用語狩りに戦々恐々。
おぼろげなシチュは理解できるのですよ。宇治十帖を通してB級グルメといえば、
少し語弊があるか。ミスマッチ?
京にあっては女二宮とか六の君に太刀打ち出来ないまでも、宇治山家なら、
めちゃくちゃ「映え」ますよ。みたいな。
だからこそ、京三条にある浮舟嬢には東屋つか、あばら家?を用意した。
弁尼の手引きにより、くだんの東屋に薫が押しかけた夜には、
象徴的な対比が描かれていて面白い。
亭主ご乱交を事後報告受けて、同様隠し切れない中君から翻って、
夜中に浮舟の東屋を訪ねてきた薫のことを、嫁の女二宮の耳に届けておこうかと、
東屋の用人たちが、気を利かせようと根回しする様子にクスッとくる。
これらの動きに、同意もなく女1人部屋に侵入してきた匂宮とは違って、
薫さんは、そんな無作法な真似しませんよ(笑)とか、弁尼が言ってのけたくだり。
 
んで三条あばら屋に薫×浮舟ふたりきり。
薫が浮舟を"めっちゃ可愛い"と淫獣めいた次の瞬間、
フィルムがぶった切られて夜明け前の朝になる。ノーカット版よこせ(笑)。
そのへんの描写ないけど、夜が明けたら若い二人の親密度が増してる気がする。
弁尼が乳母たちに向かって、"浮舟の面倒は薫がみるから"と寝耳に水したり、
牛車ドライブ行くのに浮舟お姫様抱っこで乗せたり、
が交渉してないと、平安時代に此処まで人前でイチャラブしないだろと、
突っ込みたくなるシーンが幾つか出てきます。いや、イチャラブじゃないな。
遠慮なしにスキンシップしてくる薫と、視線が定まらない浮舟って感じ。
お前ら、ホントに和姦だったんだろうな(笑)くらいの感想は残る。
宇治までの道中、亡き大君の代用攻略に満足したような雰囲気を漂わせた次の瞬間、
やっぱり代用は代用、みたいな空気が流れたのはドラマっぽく思えた。
すべては人間の欲望が為せる業か。
ときに「源氏物語」の三人称には幾つも形を変えた表現で書かれている。
過去の帖においても、場面々々で趣きある言葉が目にとまるが、
宇治十帖では「総角(あげまき)の姫」表記が殊のほか美しく感じられる。
【総角】帖で世を去った大君を指す三人称であり、
永遠に手にすることが叶わない女性である。
ある意味、処女性を帯びた美しさだろうか。
いっぽうの浮舟が「形代(かたしろ)」呼ばわりされているところが、
相対している可能性も多々あるのですけどね。
だって形代って、悪く言えば、紙に描いたコピーですよ。ふざけんな(笑)。
 
源氏物語には3本の柱がある。先に挙げたように「因果応報」と「法華滅罪」、
そして数年前に造られた流行語だが、「神待ち」である。
困窮した宮家に近しい女たちが、財力ある男性を頼るのに、何が悪いのか。
源氏物語には紫式部作とする他、男性作家説や同人作家集団説なども噂される。
最近のBLM運動を横目に、女性作家であれば許容される、つか世に問える、
そんな小説も"ある"ような気がします。
 
だって、同じコト男性作家が書いたら、
文学談義以前に問答無用で叩き潰されそう。やれやれだぜ。
 
  • 2020.07.21 Tuesday
  • 00:00

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