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反逆の騎士【小説版】

導かれし黒蝶1-1












 

第17系統"百合花"のミュンスター家章

ヴェーレ・ヘルツ
「偽らざる不凋花」


街道を迂回する脇往還を外れると、中央を退いた騎士や貴族階級が居を構える、
古き佳き城塞が目に飛び込んでくる。黒蝶城の領主ゲオルクも、そのひとりだ。

夏も間近い昼下がりのこと、メイドのルチア出迎えられた箱馬車が城門を潜り抜け、
物語は始まりの刻を告げた。
 

Ein Ritter 1-1
「導かれし黒蝶編−招かれざる客−」

 
白髪小太りの男テスラ(百合花のミュンスター)、

そして10歳ほどの少年(甥子セラフィン)が馬車から降り立ち、

中庭をざっと見渡した。
ミュンスター侯は田舎娘ばかりをはべらせている・・
この好ましからぬ客が声に出さずとも、

ほぼ斜め上から突き刺す視線が何よりも雄弁だった。
 
「客間に案内するです。」
 
戦災孤児・・
それが、ルチアを見たふたつめの印象だった。
拙い言葉遣いは、幾度も公用語を挿げ替えられてきた、

被征服者の証でもある。
石階段を先導するルチアのスカートがひらりと、

テスラの顔近くで揺れていた。
長旅の間には感じることのない、娘特有の匂い。
城主の使用人とはいえ、無教養な娘のひとりやふたり、

客が所望すれば家事仕事を免じて部屋に寄越すものだろう。
あたかもルチアは客間の鍵を開けようとして、

豊かな臀部を男のほうへ突き出している。
腹は決まった。欲望の右手が彼女の尻を捉えようとした瞬間、
廊下を歩いてきたもうひとりのメイドに、

けたたましい叫び声で阻止された。
 
「ルチア!飛び込み客のせいでメシが足りねー。

 とっとと買い出し行って来いや、コラ!」
 
この山家育ち丸出しの口上に、ルチアは真っ向から受けて立つ。
 
「その客の真ん前で文句タレてンじゃねーよ、ズベ公が!」
 
現在の領主ゲオルグが赴く以前に使われていた公用語だった。
来客の男が理解する余地はほとんどない。

ただ、浮ついた助平心が一気に冷めてしまったのは、
否定しえない事実ではあった。
互いに背を向け合ったメイドたちは、

また彼女たちだけの秘密のサインで健闘を称え合う。
 
客間に通された小太りの男は少年を部屋に残し、

城主ゲオルグのもとへ向かった。
ただの挨拶ではなかろう・・
城主の寝室までルチアの代わりに案内役をこなした、

メイド仲間のコロナ(愛称ロン)は、
ドアの前で聞き耳を立てながら、そう考えていた。
 
「カタリナの戦死は、聞いているね?」
 
それが病床のゲオルグに発した、来客テスラの最初の言葉だった。
カタリナとは.. 18歳の若年で城主ゲオルグの宮廷座席を譲り受け、

救世騎士の称号を得た蝶系ミュンスターの誉であり、

ルチアにとって姉同然の存在でもあった。
異教徒弾圧の遠征軍に参加していると聞かされていた。
テスラの話は続く。
  
「カタリナは、我が百合花のミュンスターが輩出した、

 将軍エラスムスとの婚礼を控えていた。
 言いにくいのだが、カタリナ亡きいま、

 家章を甥子のセラフィンに譲る気はないものかね?」
 
百年の時節を経て、再び"蝶"と"百合花"のミュンスターが、

ひとつになろうとしていた矢先に訪れた訃報だった。
城主ゲオルグはすでに病を得て、余命幾許もなかった。
聞き耳をたてるコロナにとって、カタリナの死は衝撃的だった反面、
ルチアの耳に入る前に出し抜いた幸運に安堵する。
このときの小太りの来客に対する彼女の印象は、

遺産に群がる醜い豚でしかなかった。
それでも、とりあえずの話を終えて退出した客人を、

何食わぬ表情で沸かしたての浴室へと連れて行った。
 
「貴重品など、お預かりいたしますが?」
 
コロナの介助で着衣を脱いだテスラは、彼女を鼻で笑う。
 
「お前たちのような手癖の悪い女どもに、

 易々と財布を渡せると思うかね?」

 
「ご心配ありません。私も浴室内までご一緒致しますから。」
 
意地悪いテスラの言葉に不快感を示す様子もなく、

コロナはメイド服の裾を太股の付け根まで持ち上げて、

腰の位置で結ぶ。
艶っぽく切り替えした彼女の視線から、

小太りの男は照れて横を向いた。
 
「お客様はルチアがお気に入りで?よしたほうがいいです。

 あのズベタはやおい趣味ですから、
 お子様の皮を剥きあげ、痛がる様子を眺めて喜ぶ変態ですよ?」
 
洗い場でテスラの背中を流すどさくさに紛れ、言いたい放題のコロナ。
 
「あらあら、ちょうど掴みやすいくらいにお勃ちになられて。」
 
背後から香油にまみれた手でテスラの股間を探る。
しかし太った腹のせいで女の腕の長さに余裕がなく、

やっとの思いで摘んだ指先から肝心の目標物を滑り逃してしまう。
 
「しまった・・!あ、あれ?」
 
テスラの亀頭の先から白い体液がほとばしった。
背中越しで表情はうかがえないが、

なんだかプルプルと震えているように思える。
その場にいないはずなのに、ルチアの嘲笑まで聞こえてきた。

 
 まる5日間も馬車に揺られて、命の洗濯にきたお客さんがさぁ。
 自称プロに不手際されたとき、どんな顔するのか、

 すっごく興味ない?
 滅多にない事故だと思うんだけどさぁ。
 
白濁の滴る右手を見下ろし、口元をひきつらせるコロナ。
 
(かくなるうえは、強引に姦っちまうか。)
 
コロナはテスラの身体を仰向けに寝かせると、
乳搾り用のブローブをはめた指を男の肛門に突き立て、

無理やりペニスをおっ勃たせたまま、
下着をずらして自分の膣口に沈めていった。
 
「痙る.. 腕が痙る.. 指も痙る.. めっちゃ腰にクル!」
 
ペニスを萎えさせないよう無理な騎乗位から小刻みに動く蠕動。
額から顎へと伝う冷や汗も、

傍目にはエロティックにコロナの価値を高めていた。
2戦目とはいえ男の耐久力に特筆すべきものはなく、

湯船に浸かってようやく長旅の人心地がついたように見えた。
コロナは洗い場に鎮座して、

精液の詰まった避妊具を客の目に触れないよう、
後ろ手に浴槽で洗っている。
 
「気を遣ったあとでいうのもなんだが・・」
 
客は照れ隠しのためか、目を閉じたままで呟いた。
 
「安心したまえ。わしらが領主になったとしても、

 お前たちをクビにしたりはせんから」
 
黒蝶の城には、追い出されたら行くあてのない子供たちも、

幾人か奉公していた。
コロナは少しだけ少女っぽい表情をのぞかせたあと、

一礼して浴室を後にする。
 
「ロン!ここに居たの?きゃああああーっ!」
 
入れ違いに飛び込んできた若いメイドが、

洗い場の香油に足を滑らせ、そのまま湯船に突貫する。
 
「ロンも、お客様も、領主様が全員部屋へ集まるようにと・・

 何これ?」
 
回収し忘れた使用済みの避妊具が少女の髪に絡みつき、
なにか白いものがドロリと目の前に滴った。
 

  • 2012.11.02 Friday
  • 00:00

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